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「箱根本箱」開業日誌0406

2018.4.6

染谷 拓郎

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」という映画を観たことはありますか?

1999年に公開された音楽ドキュメンタリー映画で、アメリカのギタリスト、ライ・クーダーがキューバのベテランミュージシャンを訪ね歩き、セッションをしながら一人ずつ仲間を増やしていきバンドを組む。

キューバですら名を知られていないミュージシャン達が最後にはカーネギー・ホールでコンサートを行う姿に、ラテン音楽のファンじゃなくてもとても感動する。

コンサートは大成功し、同名のアルバムは全世界400万枚のビック・ヒット。その後もそれぞれのミュージシャンが活動をつづけ、2016年のワールド・ツアーで活動は幕を閉じる。(この東京公演は素晴らしかった。チケット代が高くて迷ったけど、行ってよかった)

「ブエナ・ビスタ~」では、ライ・クーダーがピアノ、ボーカル、コントラバス、リュート、ギターなど、それぞれの楽器のプロを訪ね歩いていくのだが、その寄り添い方が独特だ。

彼はミュージシャンとセッションをするときに、決して自我を出さない。呼吸を合わせている。けれど、彼のギターが入るだけでバンドは抜群に音が良くなる。アイ・コンタクトでソロパートを交代していくときのミュージシャンは嬉しそうだ。自由に鳴らす音は甘く、渋く、深い。

今日は社内の大先輩方に相談をしながらの仕事が多かった。保険の打ち合わせや配管工事の段取り、保守の方針、会社運営に必要な書面の提出。

豊富な経験を持っている先輩たちはとても頼もしく、なかばまるで悩み相談のようになり、途中でちょっと泣きそうになってしまった。

そんな中でふと感じたのだが、もしかすると、これから僕がやりたい仕事はライ・クーダーの役割なんじゃないだろうか。ルーツ・ミュージックに精通し、それぞれの分野の共通言語を話せるようにすること。その道のプロ達と一緒に、ひとつの作品を作ること。経過はちゃんと押さえてそれも作品にする。撮影するのはヴィム・ヴェンダースだ。どこにもない新しい映像体験になる。

「ライ・クーダー企画論」はとても構造が分かりやすいが、彼になるためには、明確なビジョン、確かな技術力、人を惹きつける魅力が必要だ。今の自分にそれがあるか?いや、ぜんっぜん足りない。行き当たりばったりばかりだと反省した。

朝からそんなことを考えたものだから、ずっとラテン音楽の「んちゃんちゃ」というリズムが脳内に流れつづけている。困ったものだ。

今日も腹に残るものはあるけれど、一つ一つやるしかないですね。お疲れ様でした。

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