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「箱根本箱」開業日誌0427

2018.4.27

染谷 拓郎

ふわふわと空からアイデアが降ってくるわけではないし、
優しい誰かが変わりに雑務をこなしてくれるわけではない。

そんな事は当たり前で、とにかく目の前の仕事をモグモグ口に入れて食べるしかないんだけど、
中にはガチン!と歯が欠けてしまいそうになるほど固いものもある。

具体的に言えば、本のことだ。

予算が限られる中、最大限魅力的な本棚にするために、今まで考えてきたことをゼロからやり直すくらいの刷新が必要なんじゃないかと感じている。

コンセプトを決め、キーワードを集め、本をピックアップする。現時点で数千冊のリストが出来ており、これをちゃんと並べれば、きっと及第点は取れると思う。

しかも、僕たちだけじゃなくて、洋書のプロに一部選書をお願いしたりアート作品を導入しているので、複合的に「本のある暮らし」が表現できることは、ある程度見えている。

 

でも、まだ足りない気がする。

もっといいものにできる気がする。

 

前に岩佐さんと会話していて、「このままだとちょっと優等生ですね」とぽろっと言われたのだが、まさにその通りだ。

人は、バランスが良いだけのものにはあまり惹かれない。多少いびつだけど、なにかが思い切り突出していて、しかもそれがマニアックな方向に行かず、だれもが楽しめる独特のバランスを保つものが、本当に愛され残っていくものなんだと思う。

ダン・エイクロイドの映画がそうだ。
「ブルース・ブラザーズ」や「ゴースト・バスターズ」を手掛けた彼は、マニアックさと大衆性のバランスがとてもうまい。彼のファンだと公言する宮藤官九郎や星野源もそのバランスが絶妙だと思う。

ジョン・アーヴィングの小説がそうだ。
「ホテル・ニューハンプシャー」をはじめて読んだ時、降りるべき駅を二つも越していた。めちゃくちゃ長くてしつこいのに、ストーリーが独特の昇華をしていく後半の展開には、普段本を読まない人も、本の虫もどちらも満足するだろう。

ビートルズの音楽がそうだ。
何も知らない人に「レット・イット・ビー」と「ブルー・ジェイ・ウェイ」を聞かせても同じバンドの楽曲だとは信じないだろう。

今回のプロジェクトにおいて、本はめちゃくちゃ大切だ(当たりまえだけど)。

上に挙げた鉄人達のレベルには遠く及ばなくても、限られた予算の中でいびつさとバランスを考え直したい。

そして、それをやりつつ起こっている業務すべてをちゃんとこなしていかないといけない。

なんていうんだろう。

方向性は分かるのに方法が分からないと、ふだんの十倍くらい疲れるし、
誰にもぶつけようのない怒りが溜まると、全員から責められているような気持になってくる。

今、かなり大事な局面にいて、ここを乗り越えないと未来はない。しかも一人で抱えないでチームで乗り越えないと、このプロジェクトはきっと成功しないだろう。

僕はこういう時、いつもスッと心を閉じるクセがあるんだけど、今回はそれじゃ通用しない。それを乗り越えるチャンスというか試練なんだと思う。怖いし、やりたくない。でもやらないと。ふう、怖い。

ということで、これを読んでいる方(どれくらいいるんだろう)が、箱根本箱にもっと興味を持ってもらったり、どうやってやるのかはわからないけどなにか力を貸してもらえたらとても勇気がでます。

なんとか乗り越えないとね。がんばろう。

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