
「箱根本箱」開業日誌0509
2018.5.9
染谷 拓郎
きっともう少しでオープンにできると思うのだが、ある媒体で箱根本箱の取り組みを掲載していただく準備を進めている。
午前中にあれやこれやのワークを一気にこなし、午後は原稿執筆に充てたのだが、なかなか進まず困っている。ブログを書く時間も惜しいので、今日はその原稿用に書いたものから抜粋します。
というか、連載の本筋から大きく外れてボツにしようと思っていて、そうなると掲載場所がないからここで成仏させようというわけです。
去年の今頃に起きた、僕の失敗談です。
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自遊人・海法設計・日販の3社ともなると、8~10人ほどの大人数での打合せとなる。基本は御茶ノ水の日販オフィスでの開催となるのだが、岩佐さんは全国を飛び回る忙しさのため、夕食の時間に打合せになることも多く、都内のレストランで開催されることも何度かあった。
しかも、建築模型なども使用するため、なるべく大きなテーブルがある場所がふさわしい。毎度の店の予約は僕が担当していたのだが、なかなか大変な仕事だった。
一度、大失敗をしたことがある。品川で8名、19時。大テーブルがあり予約したレストランは、ホームページを見る限り料理も美味しそうだ。これなら大丈夫。
打合せ当日、19時少し前に到着し席に通されると、私たちのテーブルのすぐ脇になぜかバンドセットが置かれている。エレキギターとベース、マイクスタンドが3本、ワインレッドのドラムセット、これは一体…?
メニューを良く見ると、「ライブ1stステージ19時~19時半」とある。おいおい、ここはライブバーじゃないか!
あの、すいません、なんか今から演奏が始まるみたいです…いやぁ、うん、なんとかなるでしょ、大きい声で話そうよ。
皆さんにフォローしてもらったが、ひたすら謝るしかなく、内心「助けてくれ!助けてくれ!」と思いながら冷や汗をかいていた。
19時を少し回り、おもむろにバンドメンバーが現れた。ボーカルがマイクを握る。ベーシストはフレットに指を滑らし、ブゥンと音を出す。ギタリストはストラップの位置を確かめている。ドラマーは、タタッとタムタムを叩いた。僕の悪夢は覚めないようだ。本当にライブがはじまるのだ。
みなさんこんばんは。1stセットはビートルズナイトです!皆さんご存知の曲ばかりですから、盛り上がっていきましょう!
それでは一曲目、聞いてください!
“HELP!”
・・・心境を読み取られた選曲に呆然とする。そんな奇跡はいまいらないんだ!とにかくだれか助けてくれ!(歌詞の通りですね)
もちろん彼らはまったく悪くないのだが、やけに演奏レベルが高いことさえイライラする。結局、演奏中は打合せもままならず、その日の2時間の打ち合わせ中、50分強はライブを聞きつづけた。皆さんがフォローして向けてくれた優しい笑顔がむしろつらく、いたたまれない気持ちだった。
それ以来、打ち合わせ場所はなるべく貸会議室を選ぶようにした。人は失敗からしか学べないものなのだ。今となってはいい思い出である。
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ふう、やはり本筋とは関係ないので、これは載せられない。改めて、なんてバカなんでしょうね。
一年越しに、改めて謝ります。みなさんあの時はすみませんでした。。。